みずほ銀行オンライン・システム障害について 〜 注41

公開: 2021年11月29日

更新: 2021年11月29日

注41. プロジェクトマネジメントとその専門家

1990年代の米国社会では、大規模プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクトマネジメントの知識をしっかりと学んだ人材が必要であるとされ、そのプロジェクトマネジメントに関する基本知識をしっかりと定義しなければならないとする認識があった。そのプロジェクトマネジメントの基本知識をまとめて、プロジェクトマネジメントの基本知識集(Body of Knowledge)がまとめられ、刊行された。

その基本知識集が刊行されると、大学での専門教育が始まり、専門家団体が設立されて、資格認定試験が導入された。この基本知識集では、プロジェクトを成功に導く基本知識として、プロジェクト目標の明確化、プロジェクトを遂行するための様々な工程や活動の定義、工程の実施に必要な情報の定義と成果物の定義、工程の順序関係の分析、プロジェクトのスケジュール決定と進捗の把握法、プロジェクト予算の把握と成果の品質把握や、関係各位との情報の共有手段などである。

1990年代の日本社会では、まだプロジェクトマネジメントに関する部分的な知識の教育は行われていたが、それを体系的にまとめて、総合的に教育することはしていなかった。そのため、大規模なプロジェクトの実施や推進に関する知識を体系的に学んだ人材も、社会的には不足していた。

2000年代に入って、日本社会にもプロジェクトマネジメントが紹介され、大企業などで専門家の育成が始まった。また、日本社会でも、プロジェクトマネジメントの専門家人材を認定する試験が導入され、その試験に合格した人材も増加した。

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